2018年2月26日月曜日

Seagate Recovery Services(シーゲイトリカバリーサービス)を利用して壊れたHDDのデータ修復をしてもらった

先日運悪く、Seagate製の内蔵HDDが2個同時に破損した。壊れたHDDは3TBのST3000DM001と2TBのST2000DM001。このSTxxxxDM001は悪名高いHDDらしく、壊れてしまうと修復に手間がかかるという話。特に3TBの方は破損率が高くものすごく評判が悪い。2つあったHDDのうち、3TBのほうはほぼ即死状態で一気に読み取りが不可能になった。この壊れ方はソフトウェア的な壊れ方ではく内部パーツが壊れたとかそういう物理的な破損に間違いないと思い、R-Studio(論理破損ならファイル階層を維持したままバッチリ修復してくれる最強のリカバリーソフト、R-Studio!)などのリカバリーソフトなどを使っても修復は無理だろうとすぐに自力でなんとかするのは諦めた。ST2000DM001のほうは不良セクターがでてきてじわじわと壊れていったが、完全に読み込みができなくなるまでに重要なファイルは取り戻せた。不良セクターがでているということは、HDDの中身のプラッタに傷がついているということだろうから、修復は無理だろうとこのディスクの中身は諦めた。問題は3TBST3000DM001。これは即死だったので中身のファイルがまったく取り出せなかった。中には重要なファイルが多数あったため仕方なくデータ修復を依頼することに。

とりあえず国内の数社に3TBHDDのデータ修復を依頼した場合にどのくらいのお金がかかるのか電話で聞いてみた。まずはオントラックに問い合わせた。ここの修復費用は修復フォルダの指定ができる場合は7万から12万円ということだった。それ以外は50万円と言われた。フォルダ指定しての修復の場合、指定できるフォルダ数は4つまで。修復をしたいフォルダ名がわからない場合は全修復を頼むしかない。そうなると50万円だ。次はアドバンスデザイン。修復代は軽度な破損では10万円、重度なら50万円とのこと。アドバンスデザインの電話対応をしていた人は技術者だったのか、やたらとHDDのことが詳しかった。ほかは日本データ復旧サービスセンター(AOS)だと5万円から20万円。WinDiskRescue(くまなんピーシーネット)は論理破損は1万円から、物理破損が16万円で、重度のものは25から35万円といわれた。ロジテックにもきいたが、HDDをみてみないことには見積もりができないと回答された。

とまあ、国内はどこも結構高い。安ければ国内の業者に頼もうと思っていたが高いのでやめた。次は国外。これが本命のオランダにあるSeagate Recovery Services。ここはかなり評判がよく、更に修復にかかる費用が国内のHDD修復業者のものより安い。金額はまず契約金として49ドルを支払う。これにはHDDを検査する費用も含まれている。そしてデータが修復できた場合にかかる修復費用は2パターンあり、修復データをクラウドにアップロードしてもらいそれをダウンロードする場合は550ドル。修復データを4TBの外付けHDDに入れて返却してもらう場合は650ドルかかる。もちろんデータが修復できなかった場合は修復費用は発生しない。というわけでシーゲイトリカバリーサービスであればかかる費用は安くて599ドルで済む。日本円で換算すると6万4千円程度だ。(2018年2月26日時点。)ただクラウドでの修復データ返却を頼んでもたいてい4TBの外付けHDDに入れて返却してくるらしい。クラウドでの返却からHDDでの返却へと変更されても修復費用は変わらずクラウド返却でかかる550ドルのままになる。おそらく修復するHDDの容量によるんだろうが。容量小さめのHDDのデータ修復でクラウドでのデータ返却を頼めば変更はないかもしれない。今回修復依頼した3TB3.5インチHDDの修復データはクラウドでの返却を頼んだが4TBの外付けに入れて返された。

修復にかかる金額も安いし、なによりSeagate製HDDのデータ修復ならSeagateに頼むべきだろうと最終的にはシーゲイトリカバリーサービスにデータ修復依頼をした。ちなみにシーゲイトリカバリーサービスはSeagate製以外のHDDも修復してくれる。他にもフラッシュメモリ、SSD、RAID、テープメディア、タブレット、スマートフォンのデータ修復もしてくれるらしい。RAIDがドライブ2つで契約金が99ドル、修復データは外付けHDDでのデータ返却しか選べず修復費用は1499ドル。RAIDのHDDのが3つ、4つと増えるごとに修復費用のみ加算されていくようだった。ドライブの数が10なら9999ドルとなっていた。テープメディアは契約金が99ドルでこちらも修復データは外付けHDDでのデータ返却しか選べず修復費用は1099ドルとなっていた。他のメディアの修復費用はHDDのものと同じだった。

シーゲイトリカバリーサービスには簡単なフォーム入力をすませれば修復依頼ができる。こちらのページから「案件の依頼」ページを開くとフォーム入力画面になる。
https://www.seagate.com/jp/ja/services-software/recover/in-lab-recovery/
フォーム入力の言語は日本語がないので英語で入力したが、そこまで難しいところはない。支払いはクレジットカードなども選べたが、ペイパルでの支払いを選んだ。

フォーム入力が完了すると即座に契約金の49ドルがペイパルアカウントから引き落とされた。ここから壊れたHDDをSeagateに発送することになったが、日本の東京にあるSeagateの支店に発送するだけでよかった。オランダに直接送るとなると発送の手続きが面倒だし、送料も何千円とかかるところだったが、発送先は国内なので、ゆうパック60サイズの送料で済んだ。東京の支店にHDDを送るとそこからオランダへ転送してくれるとのこと。修復を依頼したのは2018年の1月7日。東京の支店へ発送したのは1月8日。そしてHDDがオランダへ着いたのは1月16日。ここから修復作業が始まり、修復が完了したのは2月6日でデータは完全修復されたとの報告。2月7日に修復費用550ドルがペイパルから引き落とされた。2月9日にHDDが返送され、2月12日にHDDを受け取ることができた。ちなみにHDDを返送してきた宅配会社はUPSだった。

英語でやりとりをすることになるが、シーゲイトリカバリーサービスでは電話とメールでのサポートがあったのでメールで色々問い合わせていた。サポートによると、修復依頼したHDDはプラッタからデータを読み取るリードライトヘッダーが壊れていたらしい。こいつは専門家がクリーンルームで交換作業をしないといけないものらしく素人では修復不可能とのこと。これを自力で直す人もいるようだが、今回データ修復を依頼したHDDは重要なデータが入ったHDDだ。どこが壊れているのかわからないHDDを分解し、破損箇所を特定して修理を試みるような真似はできなかったので今回は仕方がない。ついでに壊れたHDDの返却を頼んでみたが、HDDは返却できないとのこと。

修復データはSeagate製の4TB 外付けポータブルHDDに入れられて返却された。4TBのポータブルHDDなら中身が2.5インチ4TBHDDになるので結構な値段になるはず。この外付けHDDは暗号化されている。暗号解除用のパスワードはSeagateがメールで連絡してくる。それとこの外付けHDDは2年間の保証があり、2年以内に壊れたらリカバリーサービスに連絡をすれば別のHDDに交換してくれるとのこと。

とまあ、こんなところです。シーゲイトリカバリーサービスでの修復費用はまだまだ高いとは感じるが、国内業者の修復費用相場よりも安く、なによりHDDメーカーが修復をしてくれるという安心感がある。また何かあったらここに修復依頼をすることになると思う。でもやっぱりムカつく話ではある。今回修復依頼したSeagate製HDDのST3000DM001の使用時間は5000時間程度だ。これがいきなり物理破損するなんておかしな話だ。そしてそれをSeagate自身が599ドルで修復してんだからな。完全なマッチポンプだ。次もここで修復は依頼するとは思うが、腹が立つのでもうSeagateのHDDは買わない。

2018年2月24日土曜日

DEVILMAN crybaby を見た感想

デビルマンがアニメ化されるってんでちょっと楽しみにしてたので、みてみた。おしゃれ系アニメをやる印象が強い湯浅政明が監督をやるというので嫌な予感はしていたが、やっぱり見てみた。

DEVILMAN crybabyというタイトル。これなんだけど、オープニング曲が電気グルーブのもの。この時点でうわぁ、となってしまった。それで劇中に「無意味」にラップがでてくるので更にうわぁとなった。なんかラップで愛の告白までしてるし。他にはエログロ、ドラッグ、クラブカルチャー?、みたいな紋切り型のサブカルおしゃれ要素が満載でもう無理だと思った。

アニメでおしゃれやろうとすると、なんでこういうことになるんだろうと不思議に思う。こういうことって例えばSerial experiments lainとかでもやってるよね。あとは梅津安臣のKiteとかもこの感じのアニメじゃないかな。エウレカもこの系統のことをやってる。この人達のやってることをファッションで例えてみる。かっこいい服を着ましょう。さあどうする?全身Supremeで固める。終わり。こんな印象。電気グルーブは自分も好きだけど、この人達もうこの手のサブカルシーンで重鎮すぎるんだよね。アニメみてると、「またオープニング曲大槻ケンヂかよ?」ってイライラすることがよくあるんだけど、あれに似てる。こいつらねじ込んでおけばかっこよくなるよな?みたいな製作者の得意げな顔が思い浮かぶ。この人達をオープニングに持ってきてる時点でこのアニメの方向性はだいたい決まっちゃってる。劇中にラップを無理やりねじ込んできてるのもそうで、安直な格好良さを求めた結果がこれなんだろう?って思う。格好いい人達の権威や記号的な格好良さを借りてきて作品を飾り立てようとしてる感じ。

例えば洋服であれば、特定のブランド服に限らず服なんて無数に存在するわけで、お洒落にしたいなら自分でその無数にある服を選び、自力で組み合わせてお洒落を提示して見せるべきだと思うんだけど、 このアニメはそういうことしてない。Supremeを着て終わり、そんな印象。DEVILMAN crybabyはこういう、誰もが認めざるをえない権威を持ち出してきてる。これを入れておけばお洒落になるよな、というものを持ってきてアニメにしてみましたというそういう印象が強い。アニメに限らず、こういう手法で作られる映像作品からはなにも感じない。たとえばBlack Isle、BethesdaのFalloutはこういうことをしてない。誰もがカッコイイとは認めたがらないような1930年台の古臭いアメリカの曲をもってきてものすごい世界観を作り出してみせた。被爆者をゾンビ扱いしちまうような無茶苦茶不謹慎なんことをやってもあれだけの人気を得た。Falloutはテクノミュージックの重鎮、電気グルーブのテクノミュージックや「格好いい」ラップなんてなくても十分格好良い作品となった。DEVILMAN crybabyはそういうことができていない。

ほとんど内容に触れてないけど別に語らないといけない程の内容もないしまあいいか。面白いものを提示できていない。ありきたりな組み合わせのものしか提示できていない。これがDEVILMAN crybabyをみた感想です。だいたい電気グルーブもやっつけ仕事だろこんなもん。あのオープニング曲なんの印象も残らん。石野卓球、どうせこのアニメになんの思い入れもないんだろうな。人間大統領みたいな曲から感じられる熱があのオープニング曲からは感じられん。