2016年7月1日金曜日

Wasteland 2 Director's Cut (PC板) クリア後感想

長いことやってきましたがやっとのことでWasteland2をクリアしましたんで感想を書きます。
ゲームをやってるとわかるけど、Wasteland2は初代Wastelandに登場してきたキャラクターがかなりでてきているようだった。例えば主人公たちが最初にこなす指令に絡んでくるAceというキャラは初代にでてくるらしい。その最初の指令をだすデザートレンジャーリーダーのVargasは初代の主人公だとか。

とりあえずこのゲームをクリアまでにすごく時間がかかった。その原因はとてつもなく膨大なテキスト量だと思う。このゲームは人と話をすると、その話の内容を更に深めていくような感じの会話の選択肢が現れる。例えばある人とまず最初に話をする。

  • 「ようこそ、エニクスの街へ。この街の市長は堀井雄二さんというんだよ。今この街はレイダーに苦しんでいるよ。それと給水ポンプの調子が悪いよ。」

こんな感じに会話が始まる。この会話の太字の語句が会話上の選択肢になる。この会話ならエニクスの街、堀井雄二、レイダー、給水ポンプが会話の選択肢になる。なのでそれぞれの語句についての話をすすめていくことになる。ここでエニクスの街について話を聞く。「エニクスの街について聞きたい」と質問をする。

  • 「エニクスの街はいいところだ。大破壊後も給水ポンプがあるおかげで水にはまったくこまらない。ただレイダーのせいで給水ポンプが壊れてしまった。レイダーのリーダーは野村哲也というんだ。野村哲也は昔レンジャーに所属していたが、隊を抜けてスクエアというグループに加入したんだ。そのスクエアがエニクスの街を襲っているレイダー集団だよ。」

みたいに話が進んでいく。するとここであたらしく会話の選択肢が生まれる。ここでは大破壊、野村哲也 、レンジャー、スクエアが次の選択肢になる。そして新しい会話の選択肢を選ぶと更にまた別の選択肢が現れて次の話が始まる。会話は常にこんな感じだ。どうでもいいようなキャラとする会話も全てこんな感じなのですべてのキャラから話をすべて聞くまでにとてつもなく時間がかかる。しかも問題なのが会話ができる人間ほぼすべてが同じ語句の説明をすることだ。上述の例で言うと街にいる人間はすべてエニクスの街の説明と野村哲也の説明をする。あまりにもかったるいので話をとばしてしまいたくなるのだが、こういう会話の中からイベントが発生することがあるのでそうもいかない。特定の人物だけは同じ語句の選択肢であってもイベントが発生するなんてことがある。街にいる人間の数は多いのですべての人間から話を聞き終わるまでにとてつもなく時間がかかる。実際に時間を計ったわけではないが、体感では会話4割、探索戦闘6割が自分がこのゲームに費やした時間配分だと思う。もちろん英語でやっているので日本語のゲームをやるよりは時間がかかってはいるとは思うが普通の洋ゲーよりも会話に費やした時間は長く感じた。

あとこのゲームはイベントが発生するといろいろな方法でそのイベントがクリアできる。頼まれごとイベントなら頼まれた人間をその場で射殺してもそのイベントは終了になる。このゲームは発生したイベントとそのイベントの進行度、クリアしたイベントの説明がクエスト帳のようなものに記載されるのだが、依頼人をその場で射殺して終了した場合はクリアしたイベントの項目に、「エニクスの街を襲ってくれと頼んできた野村哲也はつまらないゲームを作り過ぎて死んでしまったのでもうそのことを考える必要はない。」とか記載される。クリア方法はたくさんあるが基本的にハッピーエンディング的なものが必ず用意してあり、一番複雑な手順を踏まなければクリアできないことが多い。そういったイベントのクリアのためには交渉系のスキルが必要になってくるので、そのあたりのスキルを一切あげていないとなると良いクリア方法を選択することはできなくなる。あとはPerceptionとという、探索能力スキルがある。地雷を発見したり地面に埋まっているアイテムを発見したりする能力だが、このスキルは特定のオブジェクトに隠れたアイテムや仕組みなどを発見する能力でもある。たとえば普通に調べても「なんのへんてつもない鉄の塊だ」としか表示されないオブジェクトがあったとしても、Perceptionが高ければ、その鉄の塊の中から本をみつけたりする。当然この能力値が低ければ解決できないイベントもあるのでこのスキルもあげておかなければいけない。
このイベントのシステムで気に食わないこともある。何かのイベントが発生しても、何かのイベントが進行しても、何かのイベントが終了しても、何かのイベントが強制終了されても、すべて「Log book updated」、としか表示されないのだ。これではどのイベントがどういうふうに進んだのか、どのイベントが終了したのかがさっぱりわからない。なのでイベントをすすめていって突然表示される「Log book updated」の文字を見るたびにログブックを調べてどのイベントが変化したのかをいちいちしらべなくてはいけなかった。これはかなり不便だった。一応ログブックに書かれたイベントリストには、変化があったイベントの項目の横にはそれを示す文字が追加される。なのでどのイベントに変化があったのかは少しはわかりやすくはなっている。しかし進行中のイベントと終了したイベントは記載されるログブックのページがわかれているため、「進行中のページにイベントがみつからない→終了イベントページを見る」、なんてことがよくありこれもまた間がかかる。

それと話の進行の仕方は結構一本道だった。完全に一本道とは言わないが。やりようによっては完全にスルーできるような場所もいくつかあるが、レベルを上げる必要もあるのでそういう街のイベントもしっかりとこなさなくてはいけない。そして基本的に放射能の汚染のひどい地域には高性能の防護服がないと行けないようになっているが、イベントをこなしていくとそういうところに行くために必要な強化防護服が手に入るようになっている。イベントをこなして防護服を強化して汚染度のひどい場所に行く、というのがこのゲームの進め方。なんでまあ、話の進められかたがなんとなく見えているという感じはこのゲームをやっていて常につきまとう。ただイベントの解決の仕方が無数にあってその解決の仕方が話の終盤で影響してくる。もちろんエンディングにも影響する。ここらへんはかなり作りこまれていたので終盤の展開をみていてなるほどなあと感心した。

武器システムは結構よくできている。武器はエナジーウェポン、銃、マシンガン、ショットガン、アサルトライフル、スナイパーライフル、重火器、拳、鈍器、刃物と攻撃方法はかなり豊富に揃っている。エナジーガンだけが特殊でこの武器は防御力を無視したダメージを与える武器だが、電気を通しやすい装備をしているキャラにはダメージが2倍以上になり、そうではない敵にはダメージがほとんど与えられない。なのでロボットや鉄鎧を装備している敵キャラへの攻撃に特化した武器だ。(もちろん敵がエナジーウェポンを使ってくれば鉄鎧を装備してる味方へのダメージも増加する。)
あとは重火器は重たい武器なので、装備をすると移動速度が低下する。
このゲームはアクションポイントというステータス値で攻撃回数がきまる戦闘システムを採用しているが、スナイパーライフルのような長距離射撃ができる武器はアクションポイントの消費が激しいので1ターンに一度しか攻撃できない、とかそういう感じになっている。逆に刃物カテゴリーに属するナイフなどはアクションポイントの消費が少ないため1ターンに何度も攻撃ができる。射撃の仕方が2種類ある武器もある。単発射撃とバースト射撃と言った感じに。単発射撃は一度に射撃する回数は1回、バースト射撃はそれよりも多くなるといった感じ。
バースト射撃は射撃回数が多いがその分命中率が下がり消費するアクションポイントの数が多い。射撃回数の多い武器は消費する弾の数が多いので弾切れをおこしやすくなる。それと武器には弾づまり、ジャミングが発生する確率も設定されている。ジャミングが発生すれば弾づまりを治すためにアクションポイントを消費し行動ターンをムダにすることになる。
あとは各武器ごとにクリティカル発生率が設定されている。エナジーウェポンはクリティカルが発生しない。重火器はクリティカル発生率が非常に低く、鈍器と範囲攻撃が可能なショットガンはクリティカル発生率が低く、刃物と拳銃のクリティカル発生率はかなり高い。それ以外の武器はショットガンと拳銃+刃物の中間ぐらいのクリティカル発生率になっている。クリティカルが発生したときのダメージの増加量も武器ごとに違う。そして武器にはMODシステムがあるので武器にMODを追加して性能を向上させることができる。たとえば刃物にテーピングをすれば攻撃するのに必要な消費アクションポイントが減るし、スナイパーライフルにスコープをつければ攻撃範囲が広まったりするし、しっかりとしたマガジンをつければ弾づまりが発生しなくなる。しかし重火器と拳はMODがつけられない。
更に各武器スキルごとにPerkという特殊能力がある。たとえばスナイパーライフルのDead EyeというPerkは攻撃前に動かなければスナイパーライフルで攻撃するときの消費アクションポイントが減少したり、鈍器武器のSlayerは攻撃時に10%の確率で消費アクションポイントがゼロになる。刃物のSamuraiは刃物を装備していると防御力があがる。ショットガンのPerkは射線上にいる味方に攻撃があたらなくなる。
それとPrecision Strikeという攻撃方法があり、FalloutでいうVATSのようなものだが、これはダメージ値減少や命中率低下と引き換えに敵の特定部位を攻撃する攻撃方法だ。頭を狙うと命中率は極端に落ちるが、ダメージは1.35倍になり、相手が混乱したりする。胴体を狙えば防御力が下がり、脚を狙えば転倒させたり移動力を低下させられるし、腕を狙えば命中率低下、武器破壊ができる。ただ重火器とショットガンとサブマシンガンはPrecision Strikeができない。この攻撃方法はかなり重要で敵の火力が急上昇する終盤の戦闘では必須になってくる。終盤、最高難易度では即死攻撃をしてくる敵が結構いるので敵の武器破壊、攻撃命中率低下を狙わないと勝負にならない。
とまあ武器システムに関しては結構やることがたくさんある。
ただ調整が完全にうまくいっているとは思えない点もあるので当然強い武器と弱い武器がでてくる。弱い武器はとことん弱いので気をつけるべし。

あと細かいところで不満をもう一つ。自分が操作するキャラクターを動かすときに、このゲームは味方全員を動かすモードと味方一人を動かすモードがある。戦闘開始前に個別のキャラを動かして陣形を整える、とか一人だけ地雷原につっこませて地雷探索をさせたりするとかそういう時に味方一人を動かすモードを使うのだが、このモードの切替の状態がゲームをセーブしても記録されないのだが、これが結構不便だ。たとえば強敵と戦うときに戦闘開始前に少しでもこちらが優位になるようにセーブをちょこちょこしながらキャラクター一人一人を動かして陣取りをしているときに敵に見つかると当然リロードしてやり直すはめになる。キャラ配置をしているときは当然常に味方一人を動かすモードで操作しているわけだが、セーブしたときに味方一人を動かすモードにしていてもリロードをすると強制的に味方全員を操作するモードに切り替わるので、うっかりそのまま味方全員を動かしてしまうことがかなりあった。これのせいで何度リロードをさせられたかわからない。これはなんとかしてもいい要素じゃないかとは思った。



とまあこんな感じの感想でした。面白かったけどプレイ時間が長すぎて疲れました。でもWasteland3がでるならやるだろうな。ゲーム中にWasteland3開発を予告するような文章がでてきたのだが、ひょっとしたら発売されるのかもしれない。