2015年10月19日月曜日

Another Sunny DayのYou Should All Be MurderedとI'm In Love With A Girl Who Doesn't Know I Existを和訳

1987年に結成されたAnother Sunny Day というサラ・レコードのネオアコ系バンドの曲を二曲和訳。
ネオアコ系アーティストはパンク崩れのどうしょうもないバンドが多くて有名ドコロしか聞いてなかった。というかサラレコードは完全にスルーしてた。
んでYoutubeで適当に曲を聞いててこのバンドを知ったけど、曲は結構いいのに歌詞があまりにひどいので訳してみた。

訳したのは「You Should All Be Murdered」と「I'm In Love With A Girl Who Doesn't Know I Exist」って曲。鬱屈した曲タイトルだが日本語訳するなら、
「お前らみんな殺されてしまうべきなんだ 」「僕は僕がこの世に存在していることを知らない女の子を愛している」となる。曲調はSmithsっぽいしこのネガティブな詞もなんとなく似てる。ただSmithsよりストレートでクソ適当な感じだ。中高生くらいが苛ついて書いたような感じ。

You Should All Be Murderedってのはとにかく自分が嫌いな奴等をみんなぶっ殺してやるという妄想内容の歌詞だが、歌の主人公は自分勝手だが完全自堕落という感じではない。 自分に嫌がらせをしてきたような人間をぶっ殺したいと妄想しているだけかとおもいきや、殺したい奴等に、The people who just give in=すぐに諦める奴等とthe people who don't fight=努力しない奴等 が含まれている。ここでなんかちょっとおまえ熱血漢成分あるじゃねえのと思えてしまった。

I'm In Love With A Girl Who Doesn't Know I Existってのは話したこともないような人間に惚れた奴の完全片思いソング。自分の存在を知らない女に対して、存在アピールをするわけでもなく、what will be、will be=なるようになるしかない と諦めているショボチン君の力ない叫び。Another Sunny DayのWikiページにはI'm in love~がサラレコード的な曲だと書かれていたがそれでいいのかと思ってしまった。

Another Sunny Day ってバンド名は"今度晴れた日に"、とでも訳したらいいのか。バンド名と曲名をつなげて見るとなんとなく意味が通じる。





Another Sunny Day - You Should All Be Murdered




One day, when the world is set to rights
I'm going to murder all the people I don't like
The people who have left me down without reserve
The people who are cruel to those that don't deserve
いつか世界をより良くするってなったら
気に食わない人間をみんな殺してやるんだ
遠慮なしに僕が落ち込むようなことを言った奴等
何の罪もない人間に冷たく当たる奴等

The people who talk too much, the people who don't care
The people whose lives are going nowhere
The people who just give in, the people who don't fight
The people I don't like.
しゃべりすぎる奴等 無神経な奴等
生きてても意味が無いような奴等
すぐに諦める奴等 努力しない奴等
そういう奴等が嫌いだ

The people who broke my heart so bad it never mends
The people who wrecked my life and all my so-called friends
The people who don't know when to forget and forgive
These are the people who do not deserve to live
修復不可能になるまで僕の心をぶっ壊した奴等
僕の人生と僕の友達だって言われてる人達みんなを滅茶苦茶にした奴等
全てを忘れて許すということを知らない奴等
こういう奴等は生きている価値無し

The people who talk too much, the people who don't care
The people whose lives just leave me crying in despair
The people who told me I was wrong and they were right
The people I don't like.
しゃべりすぎる奴等 無神経な奴等
見ているだけで絶望して涙が出てくるような人生を送っている奴等
僕が間違っていて自分たちが正しいとか言う奴等
こういう奴等が嫌いだ







Another Sunny Day - I'm In Love With A Girl Who Doesn't Know I Exist





So many times this has happened before
But I never knew that love could make me feel this sore
こんなことは何度も経験してきたけど
君を愛してこんなに辛くなるとは思わなかった

I could speak to you, you could speak to me
Oh but it will never happen, what will be will be
僕は君に話しかけることはできるかもしれない 君も僕と話すことはできるかもしれない
でもそんなことは絶対に起きない なるようになるしかないんだ

So I'll just lie and dream of the chances I've missed
I'm in love with a girl who doesn't know I exist
だから横たわって今まで逃してきたチャンスを夢で思い返してみるよ
僕は僕がこの世に存在していることを知らない女の子を愛しているんだ

Tell me fondly you love me, then how could I resist?
I'm in love with a girl who doesn't know I exist
優しく僕に愛しているって言って欲しい そうなったら君を拒むことなんてできないよ
僕は僕がこの世に存在していることを知らない女の子を愛しているんだ

2015年10月12日月曜日

Manic Street Preachers の Motorcycle Emptinessの和訳


Manic Street Preachers のMotorcycle Emptinessを和訳した。
この曲が発表されたのは20年以上前。曲のPVには渋谷センター街、神奈川県みなとみらいにある巨大観覧車、


コスモクロック21がでてくる。看板なんかの字体もなんとも時代を感じる。

詞はS.E. Hintonが1975に発表したRumble Fishというバイカーのギャングカルチャーを題材にした小説から着想を得たらしい。
作詞家はこの小説を、資本主義が提供する消費者のライフスタイルの虚しさを批判していて、社会が、若者が自分たちの言いなりになることを望んでいるさまを描いたものだと解釈したらしい。この曲のフレーズのいくつかは、バンドの作詞家でありベーシストのNicky Wireの兄弟であるウェールズ人の詩人、Patrick Jonesの"Neon Loneliness"という詩から拝借したものらしい。

この曲のPVの映像が綺麗だ。街を染め上げる黄色いネオンが美しい。まあこんなに黄色くなるわけ無いから何かフィルターをかけているのだろうけど。物寂しい宵の濃紺の空を明るく照らしだす青の補色の黄色い光を持ったネオンライト。しかしネオンライトはそこにある孤独を誤魔化すだけの存在でしかないという。補色が交じり合うと無彩色になるのだが、濃紺の空と黄色いネオンライトが交じり合うと味気ない灰色になるわけだ。まさしくネオンロンリーネスと形容するのにぴったりの風景だ。Under neon loneliness motorcycle emptinessというフレーズは訳さないほうがいいのだろうけど、雰囲気としては物質主義世界の中にある、孤独のネオンに照らされて走る空虚な自動二輪車という感じなのだろうか。日本語にするとかっこ悪いけどそんな感じなのかなと。まあこのフレーズがとにかく格好いい曲だ。大都市の暗闇を照らす綺羅びやかなネオンライトこそが満たされることのない人間の物欲を中心に動く物質主義世界の孤独を象徴しているという皮肉が読み取れる。かっこいい。



Culture sucks down words
Itemise loathing and feed yourself smiles
Organise your safe tribal war
Hurt maim kill and enslave the ghetto

文化が言葉を飲み込んでいく
憎しみを項目分けして みんなに笑顔をくれる
安全な部族間の対立を煽り
ゲットーを傷つけ、不具にし、殺して隷属させる

Each day living out a lie
Life sold cheaply forever, ever, ever
ウソをつきながら日々を過ごし
人生は永久に安売りされていく

Under neon loneliness motorcycle emptiness
孤独なネオンに照らされて 空虚なバイクが走る

Life lies a slow suicide
Orthodox dreams and symbolic myths
From feudal serf to spender
This wonderful world of purchase power
ゆっくりと自殺をするような人生
誰もが認める夢を抱き 象徴的な神話をみる
封建制の奴隷から始まり散財をする人間となった
購買力が創りだした素晴らしい世界

Just like lungs sucking on air
Survivals natural as sorrow, sorrow, sorrow
肺が空気を吸い込むように
生きていくことは悲しみと同じように自然なものだ

Under neon loneliness motorcycle emptiness

All we want from you are the kicks you've given us 
みんなが欲しているものは彼らがくれた刺激だけ

Under neon loneliness motorcycle emptiness

Drive away and it's the same
Everywhere death row, everyone's a victim
Your joys are counterfeit
This happiness corrupt political shit
逃げたって何も変わらない
死刑囚監房はそこらじゅうにあって みんな被害者だ
あなたの喜びはニセモノで
この幸せは腐敗した政治家の大嘘だ

Living life like a comatose
Ego loaded and swallow, swallow, swallow
昏睡状態でいるように生きている
うぬぼれは高まり 飲み込んでいく


補足

Organise your safe tribal war
Hurt maim kill and enslave the ghetto

というのがいまいちつかめないけど、多分 雑誌がいうオシャレとダサいの基準で言い争う人達やどこかに根付いた他人の文化を商売に使うこととか、そういうことだと思う

Life lies a slow suicide
というのもわからなかったけど、SVCとして解釈したけどあってるかわかりません
Lifeが~という状態でいる と訳

All we want from you are the kicks you've given us
ってーのは物資主義社会がつくりだす刺激とそれを求める消費者ということだろう
巷に出回っているこの歌詞の訳では kicksを何故か仕返し、とか復讐と訳しているのだが誤訳だろう。薬関連の隠語になってるkickを訳すなら刺激だと思ったがなぜそういう訳にしたのかがわからない。CDの歌詞カードの翻訳がそうなっているんだろうか。