気まぐれにFreeSync対応のゲーミングモニターを購入した。購入したモニターはLGのUltraGear 32GN600-BAJP というやつで、31.5インチで解像度はWQHD(2560 x 1440)、リフレッシュレート165Hz。液晶はハーフグレア。60Hz超えのリフレッシュレート性能を持ったモニターを使うのは初めてである。
このLGのFreeSync対応ディスプレイはNvidiaのビデオカードのドライバーのアップデートのお陰でG-Sync機能が使えるようになっているとの話を聞いたのでその点も期待していた。
それと液晶面が湾曲していないのも良い。1台で使う分には湾曲モニターでもいいのだろうが複数モニターを同時に使う場合には湾曲していると困るのだ。ゲーミングモニターはなぜか湾曲しているものが多いがLGのこのモニターは湾曲していない。
とりあえず届いたUltraGear 32GN600-BAJPをPCに接続して使ってみた感想を少し書く。液晶画面はハーフグレアだが、映り込みはほとんどない。秒間表示フレーム数が増えているからマウスカーソルは非常になめらかに動いている。ためしにやったSteam版 モンスターハンターライズはなめらかに動くし、G-Syncもしっかり効いているようだった。そこまでシビアな描画性能が求められるゲームを自分はやらないのでこれでも十分満足できるものだった。この31.5インチ WQHD 165Hzモニターが3万前後で手に入るというのは破格である。それに重量も非常に軽い。スタンド込で6kgいかないくらいしかない。ベゼルも非常に薄い。今使っている別の古い31.5インチ WQHDモニターはベゼルが分厚く、重量もスタンド込で10kg前後で、ゲーミングモニターではないのでリフレッシュレートは60Hz。ディスプレイというのは数年でここまで進歩するのかと驚いた。
それとAmazonのレビューを32GN600-BAJPは液晶部分とベゼルの境界を真上から覗き込んだり真横を見るようにするとベゼルから液晶画面に落ちる影があるとの報告があったが、確かにそれはあった。ただ遠くから離れてみている分には影はまったく見えないのでその点は特に問題はなかった。このベゼルから落ちる影は今使っているAcerのモニターにもでているものだったが、特定のモニターではでてくる現象なのだろうか。
UltraGear 32GN600-BAJP の解説はこの動画が詳しい。(UltraGear 32GN600-Bの解説になっているが、32GN600-BAJP と 32GN600-Bは型番が違うだけで同スペックである。)
↓
【PCモニター】3万円の最新ゲーミングモニターをレビューしたらコスパがモンスター級だった|32GN600-B|31.5インチ WQHD 165Hz
https://www.youtube.com/watch?v=wEuOVMMhjUM
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と、モニターについてはこの辺にして、ここからは新しいモニターを導入して起きた不具合と対処法について書いていく。
新しいモニターを設定するのは非常に手間がかかる。自分は複数モニターを同時に使っているが、その台数は4台。このモニターを複数接続して使うマルチディスプレイ環境というのは非常にデリケートで、個別のモニターの設定、PCと接続するケーブルの組み合わせ、ビデオカードアプリの設定、Windowsの設定などなど全てをしっかりと設定しなければ不具合に見舞われる。今回は古いモニター1台と交換するつもりでこのゲーミングモニタを購入したが、今まで完璧に設定した既存の4台のモニター設定が全て台無しになる。モニターが増えれば古いモニターを処分しなければいけないし、新しいモニターを購入するときにはドット落ちに怯えなくてはいけないし、更にビデオカードとモニターの相性があって今まで起きなかった不具合は確実におきるからそのことを考えると非常に憂鬱になっていたが、このモニター導入後やはり不具合はおきたのだった。
その不具合だが、32GN600を接続してモニター省電力モードに入るか、スリープモードに入るなどして、モニターの電源が切れ、その後にモニターに電源が入るとモニターが明滅する。
丁度この動画のような状況になる
https://youtu.be/M7xGltTFTt8?t=100
モニター復帰後に全てのモニターが正常に使えるようになるまで4台のモニター全てが1分近く電源がついたり消えたりする不具合に遭遇。これには参った。LGのモニターの不具合なのかと考えたが、Googleで "G-Sync Flickering Sleep Mode"などで検索すると結構ヒットしたのでモニターの不具合ではないだろうと考えてPCの設定を変更することにした。これはFreeSyncに関連したビデオカードドライバーの不具合なのだろうかと考えNvidia コントロールパネルの設定をいじくり回してみたが一向に改善しない。 仕方がないので、PCをセーフモードで起動し、ドライバーを DDU (Display Driver Uninstaller)で削除、その後最新のビデオカードドライバーを念のためカスタムインストールを選択して、クリーンインストールを実行した。これをやるとNvidia コントロールパネルとGeforce Experienceの設定を全てやりなおさなくてはいけないので非常に億劫だったが仕方がない。そこで再起動してモニターの電源を落として復帰させてやると明滅現象は起きなくなった。以前Geforce Experienceでゲーム録画が出来なくなるという超絶意味不明な不具合に襲われたことが合ったが、あれも同じようにDDUでドライバーアンインストール→クリーンインストールで解決したことがあるが今回もこれで解決か、とおもいきや、しばらくするとスリープ復帰時にモニター電源が入ったり落ちたりする現象が再発。
不具合の原因を探っていて分かったが、この4台のモニターの電源が無意味にオンオフするチカチカ現象の原因はLGのUltraGear 32GN600-BAJPにあるようだ。このモニターはFreesync対応モニターだが、このモニターのFreesyncとディスプレイポート入力のあわせ技でこの現象が起きているらしい。
とりあえず大前提としてUltra GearのFreesyncはオフにしておかないと、マルチディスプレイ環境下ではでこの電源オンオフの現象は治らなかった。なのでゲームをやらないときはFreesyncはオフにしておくことにした。
自分が使っているビデオカードはNvidiaのRTX 2070でこのビデオカードの出力ポートはHDMIx1、ディスプレイポートx3だ。このビデオカードは公称スペックでは合計4台までモニターが接続できるが(
USB Type-C も使えば一応5台まではいけるという報告はみたが試していない)、4台同時に使う場合はこのビデオカードとそれぞれのモニターの接続方法が問題になってくる。
今使っているモニターで色々ためしたのでそれを書いておくが、まず肝心のUltra GearはDP接続しないと165hzで使えない。そのためUltra GearはDP接続で固定せざるを得ない。そこにDP出力から変換アダプターを噛ませてDVI接続をしていたモニターを追加して2台だけで使用した場合には省電復帰後でもモニターチカチカがおきない。そこにHDMI接続をしたモニターを入れて3台構成にしても省電復帰後にチカチカはおきない。しかしそこにDP接続したモニターを組み合わせて4台構成にした途端にチカチカがおきる。
DP接続3台とHDMI接続1台という構成でも同じくチカチカする。これでわかったが、おそらくマルチディスプレイ環境下にUltra Gearモニターがあると、別のDP接続モニターの省電復帰作業がUltra Gearの省電復帰作業とUltra GearのFreesync絡みのグラボ側での再認識作業(FreesyncをUltra Gearで無効化してもビデオカード側でなにかしている模様)が競合して不具合が発生しているようだ。
Ultra Gear以外のモニター3台のうち1台はOMEN by HP 32というHPのゲーミングモニターだがこのモニターにはDPのホットプラグ関連の電源設定がある。そのほかの2台にはDP関連のオプション設定がない。そしてUltra Gear自体にもDP関連の設定がない。なので試しに、Ultra GearをDP接続し、他のDP関連のオプションがないモニター2台は1台は素直にHDMIケーブルで接続し、もう1台をDP+変換アダプターでDVI接続した。そしてDP関連の設定があるOmenをDP接続してみたところチカチカがおきなくなった!この組み合わせに気づくまでかなり時間がかかった。疲れた。
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追記
結局上記の接続方法でも極稀にUltra Gearが明滅をしだすとわかったので、OmenのDP接続をやめ、DPケーブルにHDMI2.0対応の変換アダプターを接続してHDMI接続に変更した。DP接続をUltra Gearのみにしておけば不具合はおきないし、さらにこの状態であればUltra GearのFreesyncをオンにしておいても明滅はおきない。 (手元にあったDP HDMI変換アダプターはFHD解像度までしか出力できないオンボロだったので新しく変換アダプターの書い直しになった。)
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ディスプレイポートの仕様としてDP接続をしているモニターの電源が切れてしまうとWIndowsがモニターを見失うという致命的な仕様かつ欠陥があるが、今回はそれが問題になってきたようだ。
しかしこの不具合に対応しているメーカーもあるらしく、EIZOはDPのホットプラグの不具合に対応したモニターを販売しているらしい。それとAsusとDellのモニターもDP接続周りの設定であるディープスリープモードに関する設定が変更できるらしい。今自分が使っているHPのOmenも一応ゲーミングモニターなのでDP関連の設定がある。しかしLGのモニターにはDPの設定は何もない。海外のサイトを適当に眺めていたがLGモニターのDP、Freesync絡みの不具合に文句を言っている人が結構いた。
Ultra Gearを購入する前もRTX2070+モニター4台というマルチディスプレイ環境にしていたがそのときはOmenをDP接続して、ほか3台をHDMI接続、DP+変換アダプターDVI接続、DP+変換アダプターHDMI接続で使っていた。DP接続で使っていたモニターは1台しかなかったのでこれでDP関連の不具合がおきることはなかったのだ。グラボメーカーもモニターメーカーも全てのビデオカードプラス複数の別メーカーのモニターを組み合わせて動作検証なんてしてないだろうし、できないだろうから仕方がないとは思うが、Ultra GearのFreesync ディスプレイポート絡みの不具合はどうにかしてもらえないかなとは思った。Ultra Gearをもう1台追加しようか迷っていたが、Ultra Gearを2台ディスプレイポート接続で運用したら間違いなく省電復帰後に電源チカチカが起きる。そうなるともう1台のUltra GearはHDMI接続をしなくてはいけなくなるがHDMI接続ではUltra Gearのリフレッシュレートは144hzになってしまう。フルスペックでモニターが使えないんじゃあ話にならない。
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ここからちょっとマルチモニター環境とそこで使えるアプリの話。モニター識別番号に依存したアプリケーションウィンドウ移動アプリはいくつか見かける、MMex やDual Monitor Tools、UltraMonなどがそれ。MMex以外は、3枚以上の枚数のモニター構成では自由にウィンドウ移動ができない。MMexのみ3枚以上でも移動先のモニター指定が細かくできるのだが、これも挙動が安定しない上に2016年で更新が止まっている。それとモニター枚数が3枚までであればWindows10の標準機能でもなんとかやっていけるかもしれない。WIndows10の標準機能は、デュアルモニターであればモニター識別番号1をもつモニターからモニター識別番号2をもつモニターへアプリケーションウィンドウを移動させることになり、トリプルモニターであればモニター識別番号1のモニターから、モニター識別番号2のモニターに移動するか、モニター識別番号3のモニターにプリケーションウィンドウを移動させることになる。モニター枚数が4枚になれば識別番号を持つモニターが4台になるが、こうなるとたとえばモニター識別番号1のモニターからモニター識別番号3のモニターへ一気に移動させることができない。5枚以上になればさらに悲惨なことになるだろう。3枚までであればなんとかやっていけるかもしれないというのはこれが理由。モニター枚数が4枚以上になるとWIndowsの標準機能では対応できない。いいアプリがあればそれを使いたいとは思うのだが、見つからない。見つからないからAHKでスクリプトを自作しないといけないという。いちいちモニター間でアプリケーションウィンドウを手動で動かしていたら時間がかかって仕方がないからこの類のことが自動でできるアプリは必須なのだが、そもそも4枚以上のモニター構成で作業をしてる人が少ないのだろう。関連アプリ開発も盛んではない。
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とまあ不具合と不具合解消法はこんなところです。不具合が確実におきるためモニターを変更するのが非常に億劫で古いモニターを使い続けてきたが、モニター変更したらやはり今回も嫌な目にあいました。
それとディスプレイポートのホットプラグ関連の不具合を解消する、MonitorKeeperというアプリがGithubで公開されていたがこれを使えばDP絡みの問題が解決する人もいるらしい。自分には効果がなかった。
MonitorKeeper
https://github.com/hunkydoryrepair/MonitorKeeper/releases
もう一つPersistentWindowsというのも見つけたがこちらはDP接続したモニターをWindowsが見失っても見失う直前にそのモニター上に開いていたアプリのウィンドウを再配置してくれるアプリでこれは確かに効果があった。しかしUltra Gear絡みの電源チカチカがおきるとWindowsエクスプローラーが同時に不具合を起こすことが何回かあったのでこれだけをつかって問題解決とはいかなかったが、DP接続でウィンドウ配置が無茶苦茶になることを防ぐのには使えるとは思う。
PersistentWindows
https://github.com/kangyu-california/PersistentWindows
あとはモニターのドライバーをアップデートしたら治ったとかビデオカードのドライバーをアップデートしたら治ったという報告もみかけた。それで治るのなら苦労はないが。あとは古いビデオカードだと対応ディスプレイポートバージョンを手動でアップデートしないといけない場合もあるそうで、こいつをインストールしてやるとディスプレイポート絡みの不具合が解消したという報告も見かけた。自分のビデオカードはアップデートする必要がないのでこれで問題解決とはいかなかったが。
NVIDIA GRAPHICS FIRMWARE UPDATE TOOL FOR DISPLAYPORT 1.3 AND 1.4 DISPLAYShttps://www.nvidia.com/en-us/drivers/nv-uefi-update-x64/
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