2023年5月19日金曜日

yeule - Don't Be So Hard On Your Own Beauty の歌詞の和訳。

 yeuleというシンガポール出身の女性ミュージシャンのDon't Be So Hard On Your Own Beauty という曲を和訳した。


このアーティスト見た目が凄い。すっぴんであればきれいな人です。しかしカラフルな髪の色と体中にある無数のタトゥー、ボディピアス、それと顔のいたるところにゴテゴテと化粧を塗りたくっているせいでとんでもないことになっている。この人を見て連想したのがトレヴァー・ブラウン。彼女の見た目がトレヴァー・ブラウンのグロテスクな少女の絵にそっくりだなと。なんともアヴァンギャルドな見た目をしていらっしゃる。
彼女の曲の方はビョークっぽいというかコクトー・ツインズっぽいうか、でもなんか60sサイケミュージックにも聞こえるし、ギターポップにも聞こえる。そういうサイケデリックで不思議な曲でかなり気に入ってしまった。

歌詞を和訳したDon't Be So Hard On Your Own Beautyだが、曲の主人公を誰かが助けに来る内容のようだが、抽象的な言葉が多い。悪夢とか棘だとか臓物だとかなにか不穏なワードがちりばめられている。
この詞は曲にきれいに乗っかっており一緒に口ずさむと気持ちが良いと思います。曲のPVもすごくて、パンキッシュなガーゼ服を身にまとったyeuleが前衛的なダンスを踊り続けているというもので、それが逆再生されており、映像の色味もサイケデリックな色合いに補正がしてある。この逆再生の非人間的な動きをカラフルな色調で見せられると車酔いにや3D酔いに近い軽い平衡感覚の喪失感を覚えてしまった。この混沌とした映像はまさに彼女が見た悪夢を表現しているように思える。

それとなんかyoutube時代というか音楽の主戦場がネット世界になってからこういう女性ミュージシャンが広く活躍できてきているような、そんな気がする。自分はyeuleをyoutubeで見つけました。
しかも彼女はイギリス人でもアメリカ人でもなくアジア人っていうところも良いじゃないか。もはや白人だけが活躍できるような時代ではなくなったのだ!良い時代である。

 yeuleの写真

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Trevor Brownの絵


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



Currently the sullen look on your face tells me you see something more pure in me than this dirty
その君の不機嫌そうな顔つきを見れば、君が今、この汚れよりもずっと純粋なものを私の中に見出していると分かるよ


When I'm with you I no longer have tainted flesh
君と一緒にいると 私は穢れた肉体から開放される


where violation teared my dress before you
Took me away
冒涜行為が君の目の前で衣服を引き裂いてしまう場所に連れてきてくれた


I could not see past this horizon line with my dying light that's overgrown with thorny vines and piercing through the only vein that's still okay
You let me cry, and wipe my eyes and make me feel something other than desolated nothing
私は私の消え入る光とともにある地平線の先を見ることができない だってそれは棘だらけの茎が生い茂っていて唯一脈動している血管を貫いてしまうから
君は私を泣かせ 涙を拭い 孤独な空白以外の何かを感じさせてくれる


I am desperate in a nightmare where I'm tying to find you in a maze, with no staircase
I'm stuck and breathless
私は悪夢の中でもがいている そこには階段がない迷宮があってそこで私は君を探そうとしている
私はそこに閉じ込められて死んてしまっている


In the backroom of a spinning hall
Dizzy, I crawl and trip down
Fall again, you pick up all my guts
Spilling out, bruised up, bloodied up

目眩を覚えながら回転する広間の奥の部屋に私は這っていき下に行くと
再びつまずく 君は私の臓物全てをを拾い上げる
飛び散り 打ちのめされて 血まみれになったはらわたを


Ooh
I look into your eyes and see a bright white light and you turn this horrible place into orange light, sunset in sight
You tell me not to be so hard on my own beauty
君の目を見ると白くて明るい光があって 君はこのひどい場所をオレンジ色の光に変える 日暮れが見えてくる
君は私に自分の美しさに辛く当たることはしないようにと言う


You still hold me even though I'm made of fire burning through
You hold me gently but these thorny vines and piercing through the only vein that's still okay
You let me cry, and wipe my eyes and make me feel something other than desolated nothing

君はまだ私を離さない 私は燃え盛る炎で出来ているのに
君は私を優しく抱きしめる でもこのトゲトゲの茎が唯一動いている血管を貫いてしまう
君は私に涙を流させてそれを拭い 私に寂しい"無" 以外の何かを感じさせてくれる


I am desperate in a nightmare where I'm tying to find you In a maze with no staircase
I'm stuck and breathless

私は階段のない迷宮がある悪夢でもがいている そこで私は君を探そうとしているが動けなくなり呼吸が出来ない


In the backroom of a spinning hall
Dizzy, I crawl and trip down
Fall again, you pick up all my guts
Spilling out, bruised up, bloodied up

回転するホールにある秘密の部屋の中で
混乱したまま私は這いつくばって降りていくがまた落ちてしまう
君は私の飛び出しうっ血した血まみれの内臓を全て拾い上げる


Suddenly curled up in a ball in the bathroom floor
Unconsciously I feel you shake me awake from a bad dream with my eyes open


浴室の床にあるボールの中で丸くなっていると突然
無意識に君が私を目覚めさせようとしていることが分かる 目を開けて悪夢を見ている私を

The Offspring - The Kids Aren't Alright の和訳。

OffspringのKids aren't alrightの和訳。 The WhoのThe kids are alrightをもじった曲タイトルなんだろう。
 

The WhoのThe kids are alight は好きな女が別の男とイチャイチャしてるのを黙って見ているだけの男を歌った曲。「彼女と一緒に踊りたいがアイツラのことよく知ってるし多分何もおきないから黙ってみていよう。あいつらなら大丈夫(Kids are alright)」とそういう歌詞。明るい曲調なのに歌詞は鬱屈しているという屈折した構造になっていてとても好きな曲である。この曲は引っ込み思案な男について歌っているだけでまだ可愛げがある。自分にもそんなこともあったかなと共感できることもあるだろう。


Offspringの方はあいつらは大丈夫じゃない(The kids aren't alright)とストレートにネガティブで、夢やぶれて行き詰まっているKidsについて歌っている。この曲はアップテンポのパンクロックギターが鳴り狂う雄々しい曲なのだが、歌詞は非常に暗く陰鬱としている。Kids aren't alrightの登場人物は可能性が消失してしまった人たちだ。
この曲を聞いて勇気づけられた、とか明日も頑張ろうとはなれない。辛い現実をただそのまま歌っているだけだから。しかしなぜこんなにもかっこいい曲にこんな悲しい歌詞を組み合わせてしまえるのかと不思議に思う。
かっこいいから何度も何度も聞いてしまうが一緒に歌うと悲しくなって涙が溢れてくる。この曲を聞くと、曲を聞いて得られる高揚感と悲しい歌詞に崖下に突き落とされるような絶望感、その両方を一度に体験できる。
躁と鬱、両極を往復させられる、そういう力をもった曲である。




youtubeの動画のコメントを読むと子供の頃はかっこいい曲として聞いていたが、年を取って聞くとこの歌詞がまた別の意味合いをもってくるというようなコメントが高評価を得ていた。


When we were young the future was so bright
The old neighborhood was so alive
And every kid on the whole damn street
Was gonna make it big and not be beat

若かった頃 未来はとても輝いて見えていた
近所のみんなは生き生きとしていたし
町中のガキどもすべてが 成功してやる 誰にも負けない って思ってた

Now the neighborhood's cracked and torn
The kids are grown up but their lives are worn
How can one little street
Swallow so many lives

今じゃ近所の奴らはみんなズタズタだ
ガキどもは大人にはなったが生活はボロボロ
この小さな街がどうやってこんなにもたくさんの人生を飲み込んでしまえるのだろうか

Chances thrown
Nothing's free
Longing for what used to be
Still it's hard
Hard to see
Fragile lives, shattered dreams
 

捨て置かれた可能性
もう自由ではなくなった
そして過去にしがみついている
しかし今にも壊れそうな人生や砕け散った夢なんてのは
つらくて見れたもんじゃない

Jamie had a chance, well she really did
Instead she dropped out and had a couple of kids
Mark still lives at home cause he's got no job
He just plays guitar and smokes a lot of pot

ジェイミーはチャンスを掴んだ 本当にそうだったんだ
けど彼女は脱落し子供を二人産んだ
マークは無職でまだ実家ぐらし
ギターを弾いて大麻を吸っているだけ

Jay committed suicide
Brandon OD'd and died
What the hell is going on
The cruelest dream, reality

ジェイは自殺した
ブランドンはオーバードーズで死んだ
どうなってるんだ
最も残酷な夢 現実

 

ちょい解説

Chances thrown

throw 投げる の過去分詞がChancesにくっついて形容詞になって、捨てられた可能性 という意味に

Longing for what used to be
 what used to be で過去そうあったもの 過去の存在 それをLong for = 切望している