2010年11月17日水曜日

Fallout New Vegas感想

Fallout New Vegas PC版をクリアしました。
全体的な印象としては前作Fallout3にマイナーチェンジを加えた、という感じ。

マップにマーキングされる場所が増え、人の数も増えました。
キャンプをして新しいアイテムを作り出したり改造パーツを使って武器を改造したり、スキルブックなるものを使って一時的にスキルを上昇させたり、コンパニオンへの指示はサークル状のインターフェイスが出てきてそこから指示をするようになったり、変更点は多々あります。それとベリーイージーからベリーハードまでの難易度とは別にハードコアモードなるものが追加されました。モードの詳しい解説はwikiなどみてください。

特に前作と違い主人公のスキルやSPECIAL値の劇中での関わり方が強くなりました。スピーチスキルは特に重要でNPCとの会話で発生するスピーチ関連の選択肢は、前作はスピーチ力が低かろうが説得できる可能性は0%にはならないので、説得に失敗したらリトライしていればやりすごすことができたのですが、今作は規定のスピーチスキルがないとパスすることが不可能になりました。更にスピーチスキルを上げていないとこなせないイベントが多く、さらにはコンパニオンが仲間にできないこともあります。(自分は中盤~終盤になってそのことに気づいて急いでスピーチスキルを増やしたのでなんとか難を逃れました。)能力関係ならあとは、Traitという生来の特殊能力をキャラメイクのときに選択します。これも重要でゲームの戦闘バランスを大きく左右するような物が多いです。シナリオ関係ならWild Wastelandが特に重要です。これがないとできないシナリオがかなりあります。

自分のプレイスタイル的に特に気になったのはレベルが最初から30まであがるようになったことと、Perk(特殊能力)が2レベルあがるごとにしかとれなくなったこと。この部分のゲームバランスの調整がなかなか良くて終盤まである程度緊張感を保ったまま敵との戦闘が楽しめました。
それとPerkの扱いの変化もなかなかでした。前作は単にスキルをあげるだけのものが多かったのですが今作はパークがスキル値にはあまり関係しなくなりました。その代わりにもっと違った部分でゲームに関わってくるパークが増えた気がします。たとえば自分が使っていたものだとランアンドガンとトラベルライトですが、前者は動きながら片手銃を撃つ際に命中率のペナルティを軽減し、後者は軽装鎧を装備しているときに通常よりも10%早く走れるようになります。今作ならスキル値を上昇させるパークは"タグ!"くらいです。パークとスキルの差別化が図れているのはゲームシステム的にいいことだと思います。

プレイヤーが各々ルールを決めないとどのゲームもとんでもなく簡単になったりしてしまいますが、自分の場合、今作をやる上で前作のシステムも念頭に入れた上で、ゲームがあまりにも簡単になってしまうパークをとらずに(グリムズリーパーなど)、なるべくゲーム序盤の、弾がない、回復アイテムがない、今あるものだけでやりくりしないといけない、というあのぎりぎりのサバイバル感をずっと持続させようとしました。ベガスに辿りつくまではその緊張感を継続できました。しかしそこからはダメでした。
ベガスにいついてしまうとカジノやその周辺部に出現する敵の所持する武具の価値が上がってくるので、お金が簡単に稼げるようになります。更には都市部には弾丸を何百発も売っている終末感がまったくないベンダーがぞろぞろ登場してきます。(前作とは違い武器を普通に製造しているグループまで存在します。中には偽キャップを作っている人間まで。)他にもコンパニオンのED-Eという前作のアイロボットのプロトタイプのロボットを連れていると追加されるEnhanced Sensorsというパークがゲームバランス崩壊もので、画面上にまったくみえない遠くの敵がレーダーに表示されるようになってしまいます。
これを使ってスナイパーライフルで狙撃をすれば、屋外で良い狙撃地点を見つけられれば無傷で何十もの敵を全滅させることができてしまいます。とまあついついそういうものに頼り切ってしまったので、一気にゲームが簡単になってしまいました。多分大抵の人はこのゲームバランスで満足するものなのでしょうが、自分としてはちょっと下手したなあという感想です。


ここからは問題点を挙げます。今作の経験値の扱いなんですが、どうでもいい雑魚敵でも経験値が50入ってしまったり、逆にすごく強い敵なのに経験値が10しかはいらないとバランスが悪い悪い。今回は敵が群れで出現することが多いのですが、そのため雑魚敵の群れにからまれて仕方なく戦闘をこさざるを得なくなるわけです。そこで経験値が馬鹿みたいに入ってしまう。例えるなら簡単に倒せるメタルスライムがそこらへんにいるみたいな。それにクエストをクリアすると報酬アイテムなどがもらえるわけでもなく、いきなり経験値が1500もらえたりします。レベルの部分で調整を加えてくれたのは分かるのですがやはり他のRPGゲームに比べるとレベルが上がりやすいです。自分は最高レベルまで上がった状態で、経験値ももらえないのに無駄に敵と戦闘するのが嫌なので、なるべくレベルが上がらないように戦闘を避けたり経験値が無駄にもらえるイベントを攻略しきるまえにやめてしまったり、レベルの上がり方を調整するMODを入れたりしてなんとかしのいでいました。
それと特に問題なのが敵のAIの動き。敵が踏み入れることのできない高台などにこちらがいると敵はそこに近づくことができないので、近接攻撃しかしない敵はそこらへんをぐるぐる走り回るだけになります。このゲーム上の制限を利用すれば戦闘難易度が一気に下がります。それと屋内にいる敵を屋外におびき出すときに、うまくやれば、屋内にいる10人の敵を、数人ずつ誘き出して戦うことができるようになるのですが、これもゲーム感がもろにでてしまっていて、なんだか冷めました。(自分の場合はこれでボスと側近がいる場所で、側近は屋内にとどまり、ボスだけが屋外にでてくるというわけのわからない状況に陥りました。)それに敵が人型ではないと屋外にでてこないのも冷めますね。

それとやはりバグの多さです。巷でも家庭用ゲーム機のほうはバグが酷いと騒がれている本作ですがPC版でもバグは多いです。敵の挙動がおかしくなる(敵がまったく動かなくなる、敵が埋まって動けなくなる、敵の死体が埋まったり暴れ回る)とフリーズのサイン、なことはゲームやっていて数回ありました。あとフリーズは後半になるにつれて多くなりました。数時間に一回くらいのペース。自分の場合はセーブデータの多さが関係しているのかもしれないです。(自分の場合、セーブデータ数は500前後でフリーズ、ゲーム落ちが多くなりました。)
それ以外には、フラグ立てをしてもまったくイベントが進行しないこと、複数のイベントが重なっている場所はクリアする順番を調整しないとどれかのイベントがまともに進めてもクリア不可能になる、とかクエストアイテムを持っているのにゲームが進まない、とかクエストアイテムがなくなってしまったとかありました。フリーズ以外は全てコンソールで解決できましたが問題だと思いました。


ゲームのシステム以外の部分の話をします。
今作使われていた曲ですが、舞台がラスベガスということもあって、前作のばらけた選曲とは違って、砂漠で流れていそうなカントリー調に統一してきた印象です。ただ自分はカントリーというジャンルが好きではないので、今作での選曲は好きな曲も多かったけれどあまり馴染めませんでした。前作同様一応歌詞は訳しましたが。
歌詞のページはこちら

Fallout New Vegasのラジオから流れてくる曲を何曲か和訳 
http://coollooc.dtiblog.com/blog-entry-179.html

Fallout New Vegasのラジオから流れてくる曲を何曲か和訳 part2
http://coollooc.dtiblog.com/blog-entry-183.html


仕方が無いのでMODで曲を追加してそちらの方ばかりを聞いていました。特に気に入ったのは下記の二つです。(容量が多いものを落とす場合は登録が必要。)

Existence 2-0 -Robot Radio-
http://www.newvegasnexus.com/downloads/file.php?id=35330
これはロボットがラジオを放送しているという設定のラジオ局を追加するMODです。機械声のDJのロボットがI don't want set the world on fireの詞を不気味に読み上げたり、自分は感情がないから泣けないだのぼやいてきます。そういったMCをはさんで、曲が流れるという感じです。この選曲がなかなかよく、不気味なものが多いのでオリジナルのラジオよりもいいなと思うものが多々ありました。特に本作にでてくるキャンプサーチライトの絶望感にぴったりな曲が多かったです。


CONELRAD 640-1240 - Civil Defense Radio
http://www.newvegasnexus.com/downloads/file.php?id=35061
こちらも新しくラジオ局を追加します。DJは女性で、話している内容もFalloutの世界観にあっています。それと入っている曲のリストを見れば分かると思いますが、かなり核戦争に絡んだ選曲が多いです。中でもold man atom 2って曲.が面白い。曲中「ひろしーまながさきー、アラモゴードー、ビキニー」、っと陽気に歌い上げていますが、アホくさくて好きです。Youtubeにありました。


それと本作の設定やシナリオについて。
今回はゲーム製作者の陣容が変わったためか、Fallout2とのつながりが強い設定が多いようです。本作にでてくるスーパーミュータントが口にしますが、彼らの頭だったマスターはFallou2にでてきたキャラです。それとFallout2のエンクレイブの残党がゲーム本編にでてきます。彼らが語るネバローやオイルリグの話もFallout2ででてくるものです。
今作のエンクレイブのパワーアーマーのデザインもFallout2にでてくるものですね。それと本作の主人公は今までの作品の主人公と違い、穴蔵にこもっているだけではなく、ウエイストランドを冒険してきた人間のようで、たとえばFallout2の舞台の New Renoといった地区にも行ったことがあるようです。

��Fallout作品の、核戦争、核戦争後に到るまでの経緯などがまとめられたページがあったので翻訳しました。面白いです。

ゲーム Fallout の設定にある世界を崩壊させたというグレートウォーとはなんぞや
http://coollooc.dtiblog.com/blog-entry-178.html

少しネタバレになりますが、自分は本作の年老いた元エンクレイブ隊員が再集結して主人公と共に最後の決戦に参加するというイベントが大好きです。本作をやっていて、元エンクレイブと自称する老人たちと会話をしたのは覚えていたんですが、そのときは元エンクレイブ?へえそうですか、くらいにしか思わず、まさか最後のイベントにあのじいさんばあさんが絡んでくるとは思わなかったのです。最後の最後に決戦仕様にイカつくおめかしした老人たちがヴァルチバードから降下してくるところがかっこよくてたまりません。それで彼らが強いのなんのw 
彼らを再結集させるイベントの名前がFor Auld Lang Syne なんですが、これは蛍の光の原曲になっているAuld Lang Syneというスコットランド民謡からきています。訳すなら久しき昔のためにとなるようです。

曲ですが、youtubeで見つけたこのバージョンが一番好きです。



またこの原曲の詞の内容がいいこと。以下wikiから引用。

旧友は忘れていくものなのだろうか、
古き昔も心から消え果てるものなのだろうか。

友よ、古き昔のために、
親愛のこの一杯を飲み干そうではないか。

我らは互いに杯を手にし、いままさに、
古き昔のため、親愛のこの一杯を飲まんとしている。

引用元のwikiのページ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/オールド・ラング・サイン

泣けますよねこれは。蛍の光よりこっちのほうが政治性もなく詩の内容がストレートに伝わってきて好きです。この曲が本作で流れていれば最高だったのに、とは思いますがさすがにそこまでの過剰演出はありません。若かりし頃の元エンクレイブ部隊(レムナンツ)を再現したMODとかでないかなあと思っていたりします。このイベントは是非みんなにやって欲しいです。泣けます。

(あと日本語版だとレムナンツの一人のCannibal Johnsonが通り名無しにジョンソンとなっているようです。彼はレイダーに囲まれたときに、倒したレイダーの心臓を切り取って食べてみせてレイダー達をひるませて時間稼ぎをし残りを全滅させた、ということから人食いジョンソンという渾名がついたと英語版では明かされるのですが、日本語版ではないみたいです。どういう基準でここを削ったんでしょうかね。残酷すぎるからですか?笑)


とまあ悪い点はあってもゲームはとても面白いです。
バグがあっても面白いゲームは面白いんです。是非みんなにプレイしてもらいたいです。



最後に2chにはられていた今作の舞台になる場所を紹介したwebページとGoogleアースのマイマップのURLを貼っておきます。ネタバレになるのでゲームをやっていない人は見ないほうがいいです。どれも実在するもののようで、見ていて面白いです。

GOODSPRINGS
http://www.ghosttowns.com/states/nv/goodsprings.html

本冊の舞台を各地をマーキングしてあるグーグルアースのマイマップ
http://maps.google.com/maps/ms?ie=UTF8&hl=en&msa=0&msid=108700730688525870035.0004950d3c35b4b2e9e8d&z=9

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